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基礎令和4年度第2回 工事担任者 総合通信「基礎」過去問と解説

工事担任者試験(総合通信)令和4年度第2回の「電気通信技術の基礎」全22問を、問題文・選択肢・正解と、根拠や計算過程まで書いた解説つきでまとめました。各問の「正解と解説を見る」を開くと答えを確認できます。

第1問

第1問(ア)直流回路(ミルマンの定理)
図1に示す回路において、端子a-b間の電圧は、(ア)ボルトである。ただし、電池の内部抵抗は無視するものとする。
令和4年度第2回 基礎 第1問(ア) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①54
  2. ②55
  3. ③56
  4. ④57
  5. ⑤58
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正解:② 55

3つの枝(3Ωと46V、2Ωと51V、1Ωと60V)がa-b間に並列につながっています。ミルマンの定理で、

V=(46/3+51/2+60/1)÷(1/3+1/2+1/1)=(15.33+25.5+60)÷1.833≒100.83÷1.833=55V

分数のまま計算すると、(92+153+360)/6 ÷ 11/6=605÷11=55V とすっきり求まります。

第1問(イ)交流回路(RLC直列)
図2に示す回路において、端子a-b間に52ボルトの交流電圧を加えたとき、抵抗Rに加わる電圧は、(イ)ボルトである。
令和4年度第2回 基礎 第1問(イ) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①24
  2. ②30
  3. ③36
  4. ④42
  5. ⑤48
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正解:⑤ 48

リアクタンスは X=13-8=5Ω(容量性)。合成インピーダンスは Z=√(12²+5²)=13Ω です(5:12:13 の直角三角形)。

電流は I=52÷13=4A、抵抗の電圧は 4×12=48V。

第1問(ウ)時定数(RC回路)
抵抗とコンデンサの直列回路において、抵抗の値を2倍にし、コンデンサの静電容量の値を(ウ)倍にすると、回路の時定数は6倍になる。
  1. ①1/12
  2. ②1/3
  3. ③3
  4. ④√12
  5. ⑤12
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正解:③ 3

RC直列回路の時定数は τ=RC〔秒〕です。抵抗を2倍にしたので、6倍にするには静電容量を 6÷2=3倍 にします。

RL直列回路の時定数は τ=L/R になる点もあわせて覚えましょう。

第1問(エ)交流回路(誘導性リアクタンス)
自己インダクタンスがLヘンリーのコイルの誘導性リアクタンスをXLオームとすると、XLの大きさは、コイルに流れる(エ)に比例する。
  1. ①交流電流の実効値
  2. ②交流電流の波高値
  3. ③交流電流の周波数
  4. ④直流電流の平均値
  5. ⑤直流電流の最大値
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正解:③ 交流電流の周波数

XL=2πfL なので、周波数に比例します。令和6年度第1回とほぼ同じ問題です。

第2問

第2問(ア)半導体(不純物半導体)
半導体について述べた次の二つの記述は、(ア)。

A 正孔が多数キャリアであるp形半導体と、自由電子が多数キャリアであるn形半導体は、いずれも真性半導体に不純物を加えて作られる。

B p形半導体に含まれる不純物はドナーといわれ、n形半導体に含まれる不純物はアクセプタといわれる。

  1. ①Aのみ正しい
  2. ②Bのみ正しい
  3. ③AもBも正しい
  4. ④AもBも正しくない
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正解:① Aのみ正しい

A:正しい。

B:逆です。p形の不純物(3価)はアクセプタ、n形の不純物(5価)はドナーです。誤り。

「ドナー(donor)=電子を与える」と覚えると間違えません。

第2問(イ)トランジスタ(バイアス計算)
図に示すトランジスタ回路において、VCCが10ボルト、RBが930キロオーム、RCが(イ)キロオームのとき、コレクタ-エミッタ間の電圧VCEは、6ボルトである。ただし、直流電流増幅率hFEを40、ベース-エミッタ間のバイアス電圧VBEを0.7ボルトとする。
令和4年度第2回 基礎 第2問(イ) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①4
  2. ②6
  3. ③8
  4. ④10
  5. ⑤12
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正解:④ 10

IB=(10-0.7)÷930kΩ=10μA、IC=40×10μA=0.4mA。

RCでの電圧降下は 10-6=4V なので、RC=4V÷0.4mA=10kΩ。

令和7年度第1回は hFE=50 で、答えは8kΩでした。

第2問(ウ)トランジスタ増幅回路(結合コンデンサ)
トランジスタ増幅回路で出力信号を取り出す場合には、バイアス回路への影響がないようにコンデンサを通して(ウ)のみを取り出す方法がある。
  1. ①高調波成分
  2. ②雑音成分
  3. ③漏話信号分
  4. ④直流分
  5. ⑤交流分
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正解:⑤ 交流分

コンデンサは直流を通さないので、交流分(信号)だけを取り出せます。

第2問(エ)バリスタ
バリスタは、(エ)特性が非直線的な変化を示す半導体素子であり、過電圧の抑制、衝撃性雑音の吸収などに用いられる。
  1. ①電圧-電流
  2. ②損失-位相
  3. ③静電容量-温度
  4. ④周波数-振幅
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正解:① 電圧-電流

バリスタは電圧-電流特性が非直線的な素子です。令和7年度第2回とまったく同じ問題文です。

第2問(オ)トランジスタ(電流伝達特性)
トランジスタの静特性の一つである電流伝達特性は、エミッタ接地方式において、コレクタ-エミッタ間の電圧VCEを一定に保ったときのベース電流IBと(オ)との関係を示したものである。
  1. ①エミッタ電流IE
  2. ②ベース電圧VB
  3. ③コレクタ電流IC
  4. ④ベース-エミッタ間の電圧VBE
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正解:③ コレクタ電流IC

電流伝達特性は、入力電流IBと出力電流ICの関係です。IBとVBEの関係は入力特性です。

第3問

第3問(ア)論理回路(ベン図)
図1〜図5に示すベン図において、A、B及びCが、それぞれの円の内部を表すとき、斜線部分を示す論理式が A・C・B+A・B・C と表すことができるベン図は、(ア)である。
令和4年度第2回 基礎 第3問(ア) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①図1
  2. ②図2
  3. ③図3
  4. ④図4
  5. ⑤図5
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正解:⑤ 図5

2つの項に分けて考えます。

  • A・C・B:Bの円から、AとCが重なる部分(中央)を除いた領域
  • A・B・C:Cの円から、AとBが重なる部分(中央)を除いた領域

合わせると「BとCの円全体から中央(A・B・C)を除いたもの」になります。「Aだけ」の部分と中央が白い図5が正解です。

第3問(イ)2進数の乗算と16進数
表に示す2進数のX1、X2を用いて、計算式(乗算)X0=X1×X2からX0を求め、これを16進数で表すと、(イ)になる。
X110110
X2101
  1. ①1B
  2. ②6D
  3. ③6E
  4. ④CE
  5. ⑤D6
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正解:③ 6E

X1=10110=22、X2=101=5 なので、X0=22×5=110。

110=6×16+14 なので、16進数では 6E(14=E)です。

第3問(ウ)論理回路(論理素子の特定)
図6に示す論理回路において、Mの論理素子が(ウ)であるとき、入力A及びBから出力Cの論理式を求め変形し、簡単にすると、C=A・B で表される。(選択肢は問題図の論理素子記号)
令和4年度第2回 基礎 第3問(ウ) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①NOR
  2. ②OR
  3. ③排他的論理和(XOR)
  4. ④NAND
  5. ⑤AND
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正解:② OR

上側のANDの出力は A・B、Mの入力は A と B です。出力は C=(A・B)+M(NOR)。

C=A・B となるには、かっこの中が A+B(A・B の否定)になればよいので、MをORにすると A・B+A+B=A+B となり条件を満たします。よって②のORです。

第3問(エ)ブール代数
次の論理関数Xは、ブール代数の公式等を利用して変形し、簡単にすると、(エ)になる。
X=(A+B)・(A+C)・(A+B)・(A+C)
  1. ①1
  2. ②B・C
  3. ③B+C
  4. ④B+B・C
  5. ⑤B・C+B・C
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正解:③ B+C

(A+B)(Ā+B)=B+A・Ā=B、(A+C)(Ā+C)=C とまとめられます。

よってかっこの中は B・C で、X=B・C=B+C(ド・モルガン)です。

第4問

第4問(ア)伝送理論(入力電力)
図1において、電気通信回線への入力電力が(ア)ミリワット、その伝送損失が1キロメートル当たり0.7デシベル、増幅器の利得が14デシベルのとき、負荷抵抗Rで消費する電力は、60ミリワットである。ただし、変成器は理想的なものとし、入出力各部のインピーダンスは整合しているものとする。
令和4年度第2回 基礎 第4問(ア) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①14
  2. ②45
  3. ③60
  4. ④80
  5. ⑤90
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正解:③ 60

回線20kmの損失は 0.7×20=14dB。増幅器の利得14dBで打ち消されるので、全体は0dB(電力そのまま)です。

理想変成器は電力を変えないので、入力電力は負荷と同じ60mWです。巻線比3:4は、電力の計算には関係しません。

第4問(イ)伝送理論(減衰定数)
一様なメタリック線路の減衰定数は線路の一次定数により定まり、(イ)によりその値が変化する。
  1. ①信号の位相
  2. ②信号の周波数
  3. ③減衰ひずみ
  4. ④負荷インピーダンス
  5. ⑤信号の振幅
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正解:② 信号の周波数

減衰定数は、一次定数(抵抗R、インダクタンスL、静電容量C、漏れコンダクタンスG)と信号の周波数で決まります。周波数によって減衰量が変わることが、減衰ひずみの原因になります。

第4問(ウ)伝送理論(漏話)
漏話について述べた次の二つの記述は、(ウ)。

A 誘導回線の信号が被誘導回線に現れる漏話のうち、誘導回線の信号の伝送方向を正の方向とし、その反対方向を負の方向とすると、正の方向に現れるものは遠端漏話といわれる。

B 平衡対ケーブルにおける漏話減衰量Xデシベルは、誘導回線の信号電力をPsミリワット、被誘導回線の漏話による電力をPxミリワットとすると、次式で表される。

X=10 log10(Ps/Px)

  1. ①Aのみ正しい
  2. ②Bのみ正しい
  3. ③AもBも正しい
  4. ④AもBも正しくない
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正解:③ AもBも正しい

A・Bとも正しい。令和7年度第1回ではAを「近端漏話」と言い換えた誤りの文が出題されています。

第4問(エ)伝送理論(電流反射係数)
図2に示すように、異なる特性インピーダンスZ01、Z02の通信線路を接続して信号を伝送したとき、その接続点における電圧反射係数をmとすると、電流反射係数は、(エ)で表される。
令和4年度第2回 基礎 第4問(エ) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①1+m
  2. ②m
  3. ③1-m
  4. ④-m
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正解:④ -m

電流反射係数は電圧反射係数と符号が逆で -m です。令和6年度第2回でも同じ内容が出題されています。

第5問

第5問(ア)PCM(サンプリング間隔)
アナログ音声信号をサンプリング間隔が(ア)秒、量子化ビット数がnビットでPCM符号化し、電気通信回線を用いて伝送する場合の1秒当たりに伝送されるデータ量は、Vビットである。
  1. ①V/n
  2. ②1/(nV)
  3. ③n/V
  4. ④2n/V
  5. ⑤V/(2n)
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正解:③ n/V

1秒あたりの標本数は V÷n なので、サンプリング間隔はその逆数で n/V 秒です。令和8年度第1回とほぼ同じ問題です。

第5問(イ)伝送方式(TCM・WDM)
光ファイバ通信などに用いられる伝送方式について述べた次の二つの記述は、(イ)。

A 双方向多重伝送に用いられるTCMは、送信パルス列を時間的に圧縮し、空いた時間に反対方向からのパルス列を受信することにより双方向伝送を実現しており、ピンポン伝送ともいわれる。

B 波長の異なる複数の光信号を多重化する方式は、WDM方式といわれる。

  1. ①Aのみ正しい
  2. ②Bのみ正しい
  3. ③AもBも正しい
  4. ④AもBも正しくない
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正解:③ AもBも正しい

A・Bとも正しい。令和6年度第2回では、Bに「波長間隔が狭い方式はCWDM」という誤りを加えた形で出題されています。

第5問(ウ)光変調(ポッケルス効果)
光ファイバ通信に用いられる光の変調方法の一つに、物質に電界を加え、その強度を変化させると、物質の屈折率が変化する(ウ)効果を利用したものがある。
  1. ①ファラデー
  2. ②ポッケルス
  3. ③ラマン
  4. ④ブリルアン
  5. ⑤ドップラー
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正解:② ポッケルス

ポッケルス効果です。令和7年度第2回とまったく同じ問題文です。

第5問(エ)光ファイバ(レイリー散乱)
光ファイバ中の屈折率の微小な変化(揺らぎ)によって光が散乱する現象はレイリー散乱といわれ、これによる損失は(エ)の4乗に反比例する。
  1. ①光周波数
  2. ②光波長
  3. ③光ファイバ長
  4. ④光の伝搬モード数
  5. ⑤光ファイバのコア径
正解と解説を見る
正解:② 光波長

レイリー散乱損失は光波長の4乗に反比例します。令和6年度第1回では「レイリー」の方が空欄でした。

第5問(オ)再生中継器(3R機能)
光中継伝送システムに用いられる再生中継器には、中継区間における信号の減衰、伝送途中で発生する雑音、ひずみなどにより劣化した信号波形を再生中継するための等化増幅、(オ)及び識別再生の機能が必要である。
  1. ①位相検波
  2. ②波長多重
  3. ③光合分波
  4. ④強度変調
  5. ⑤タイミング抽出
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正解:⑤ タイミング抽出

3R機能は、等化増幅・タイミング抽出・識別再生です。令和6年度第2回では「識別再生」が空欄でした。

解答一覧

問題分野正解
第1問(ア)直流回路(ミルマンの定理)②
第1問(イ)交流回路(RLC直列)⑤
第1問(ウ)時定数(RC回路)③
第1問(エ)交流回路(誘導性リアクタンス)③
第2問(ア)半導体(不純物半導体)①
第2問(イ)トランジスタ(バイアス計算)④
第2問(ウ)トランジスタ増幅回路(結合コンデンサ)⑤
第2問(エ)バリスタ①
第2問(オ)トランジスタ(電流伝達特性)③
第3問(ア)論理回路(ベン図)⑤
第3問(イ)2進数の乗算と16進数③
第3問(ウ)論理回路(論理素子の特定)②
第3問(エ)ブール代数③
第4問(ア)伝送理論(入力電力)③
第4問(イ)伝送理論(減衰定数)②
第4問(ウ)伝送理論(漏話)③
第4問(エ)伝送理論(電流反射係数)④
第5問(ア)PCM(サンプリング間隔)③
第5問(イ)伝送方式(TCM・WDM)③
第5問(ウ)光変調(ポッケルス効果)②
第5問(エ)光ファイバ(レイリー散乱)②
第5問(オ)再生中継器(3R機能)⑤
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出典:一般財団法人日本データ通信協会 工事担任者試験問題(令和4年度第2回)。解説は当サイトが独自に作成したものです。誤りにお気づきの場合はご意見フォームからお知らせください。