📡
工事担任者 過去問部屋
総合通信|無料・解説付き・スマホ対応

基礎令和5年度第2回 工事担任者 総合通信「基礎」過去問と解説

工事担任者試験(総合通信)令和5年度第2回の「電気通信技術の基礎」全22問を、問題文・選択肢・正解と、根拠や計算過程まで書いた解説つきでまとめました。各問の「正解と解説を見る」を開くと答えを確認できます。

第1問

第1問(ア)直流回路(節点電圧)
図1に示す回路において、抵抗R4に流れる電流Iは、(ア)アンペアである。ただし、電池の内部抵抗は無視するものとする。
令和5年度第2回 基礎 第1問(ア) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①5
  2. ②6
  3. ③9
  4. ④10
  5. ⑤15
正解と解説を見る
正解:② 6

電池の-側(下の線)を0Vとすると、左上の点は90V、右上の点は導線で下の線とつながっているので0Vです。R3は電池に並列なので、R4の電流には関係しません。

中央の点の電圧をVとして、流れ込む電流と流れ出る電流を等しくおくと、

(90-V)÷8=V÷6+V÷3 → (90-V)÷8=V÷2 → V=18V

R4に流れる電流は I=18÷3=6A です。

第1問(イ)交流回路(RL直列の電圧)
図2に示す回路において、端子a-c間の電圧が12ボルト、端子c-b間の電圧が9ボルトであった。このとき、端子a-b間に加えた交流電圧は、(イ)ボルトである。
令和5年度第2回 基礎 第1問(イ) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①9
  2. ②10
  3. ③12
  4. ④15
  5. ⑤21
正解と解説を見る
正解:④ 15

直列回路では、抵抗の電圧とコイルの電圧は位相が90°ずれているので、単純に足し算はできません。

全体の電圧は √(12²+9²)=√225=15V です(3:4:5 の直角三角形の比)。

12+9=21V(⑤)としないように注意しましょう。

第1問(ウ)電磁気(平行電流間の力)
平行に置かれた2本の電線に、互いに反対方向の直流電流を流すと、電線間において相互に(ウ)する電磁力が発生する。
  1. ①反発
  2. ②交差
  3. ③回転
  4. ④振動
  5. ⑤吸引
正解と解説を見る
正解:① 反発

平行な2本の電線に反対方向の電流を流すと反発し、同じ方向に流すと吸引し合います。

第1問(エ)交流回路(無効電力)
正弦波交流回路において、電圧の実効値をEボルト、電流の実効値をIアンペア、電圧と電流の位相差をθラジアンとすると、この回路の無効電力は、(エ)バールである。
  1. ①EI
  2. ②EI tanθ
  3. ③EI(1-cosθ)
  4. ④EI cosθ
  5. ⑤EI sinθ
正解と解説を見る
正解:⑤ EI sinθ

交流の電力は次の3つです。

  • 皮相電力:EI〔VA〕
  • 有効電力:EI cosθ〔W〕
  • 無効電力:EI sinθ〔var〕

(EI)²=(EI cosθ)²+(EI sinθ)² の関係があります。

第2問

第2問(ア)サイリスタ
サイリスタは、p形とn形の半導体を交互に二つ重ねたpnpnの4層構造を基本とした半導体(ア)素子であり、シリコン制御整流素子ともいわれる。
  1. ①受光
  2. ②スイッチング
  3. ③発光
  4. ④圧電
  5. ⑤フィルタリング
正解と解説を見る
正解:② スイッチング

サイリスタは、ゲートに信号を加えるとオン(導通)になるスイッチング素子です。一度オンになると、電流が小さくなるまでオンを保持します。電力の制御(調光器やモータ制御)などに使われます。

第2問(イ)トランジスタ増幅回路(電圧増幅度)
図1に示すトランジスタ増幅回路においてベース-エミッタ間に正弦波の入力信号電圧VIを加えたとき、コレクタ電流ICが図2に示すように変化した。ICとコレクタ-エミッタ間の電圧VCEとの関係が図3に示すように表されるとき、VIの振幅を40ミリボルトとすれば、電圧増幅度は、(イ)である。
令和5年度第2回 基礎 第2問(イ) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①20
  2. ②30
  3. ③40
  4. ④50
  5. ⑤60
正解と解説を見る
正解:④ 50

図2より、ICは2mAを中心に1〜3mAで変化します。図3の負荷線で読むと、IC=3mAのときVCE=2V、IC=1mAのときVCE=6Vなので、VCEの振幅は2Vです。

電圧増幅度=2V÷0.04V=50。

令和8年度第1回は同じ形で入力振幅が100mV(答え20)でした。

第2問(ウ)トランジスタ増幅回路(結合コンデンサ)
トランジスタ増幅回路において出力信号を取り出す場合、(ウ)を通して直流分をカットし、交流分のみを取り出す方法がある。
  1. ①コンデンサ
  2. ②コイル
  3. ③変調回路
  4. ④抵抗
  5. ⑤平滑回路
正解と解説を見る
正解:① コンデンサ

直流を通さず交流を通すコンデンサ(結合コンデンサ)を使います。令和6年度第2回では、同じ文の「交流分」の部分が空欄でした。

第2問(エ)トランジスタ(バイアス回路)
トランジスタによる増幅回路を構成する場合のバイアス回路は、トランジスタの(エ)の設定を行うのに必要な直流電流を供給するために用いられる。
  1. ①発振周波数
  2. ②遮断周波数
  3. ③飽和点
  4. ④動作点
  5. ⑤降伏電圧
正解と解説を見る
正解:④ 動作点

バイアス回路はトランジスタの動作点を設定します。令和7年度第1回とまったく同じ問題文です。

第2問(オ)トランジスタ(ベース接地の電流増幅率)
ベース接地トランジスタ回路において、コレクタ-ベース間の電圧VCBを一定にして、エミッタ電流を2ミリアンペア変化させたところ、コレクタ電流が1.96ミリアンペア変化した。このトランジスタ回路の電流増幅率は、(オ)である。
  1. ①0.06
  2. ②0.97
  3. ③0.98
  4. ④1.02
  5. ⑤1.04
正解と解説を見る
正解:③ 0.98

ベース接地の電流増幅率 α=ΔIC÷ΔIE=1.96÷2=0.98。ベース接地では入力がエミッタ電流なので、αは1より少し小さい値になります。

エミッタ接地の電流増幅率 β=ΔIC÷ΔIB を求める問題(令和8年度第1回)と区別しましょう。

第3問

第3問(ア)論理回路(ベン図・論理和)
図1、図2及び図3に示すベン図において、A、B及びCが、それぞれの円の内部を表すとき、図1、図2及び図3の斜線部分を示すそれぞれの論理式の論理和は、(ア)と表すことができる。
令和5年度第2回 基礎 第3問(ア) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①A・B・C
  2. ②A・B・C+A・B・C
  3. ③A・B+A・C+B・C
  4. ④A・B+B・C+B・C
  5. ⑤A・C+B・C+A・B・C
正解と解説を見る
正解:③ A・B+A・C+B・C

論理和は「どれか1つの図で斜線になっている部分」です。3つの図を重ねると、中央(A・B・C)だけがどの図でも斜線になっておらず、それ以外の6つの領域はどれかの図で斜線になっています。

③の A・B+A・C+B・C を確かめると、A・B が「Aだけ」「AとCの重なり(Bの外)」、A・C が「Cだけ」「BとCの重なり(Aの外)」、B・C が「Bだけ」「AとBの重なり(Cの外)」を表し、中央以外の6領域をちょうど覆います。

第3問(イ)16進数の加算
表に示す16進数のX1、X2を用いて、計算式(加算)X0=X1+X2からX0を求め、これを16進数で表すと、(イ)になる。
X1D8EA
X2F9BC
  1. ①1C806
  2. ②1D2A6
  3. ③1D8A6
  4. ④29972
  5. ⑤2996C
正解と解説を見る
正解:② 1D2A6

16進数のまま下の桁から筆算します(A=10、B=11、C=12、D=13、E=14、F=15)。

  • 1桁目:A+C=10+12=22 → 22=16+6 で「6」、1繰り上がり
  • 2桁目:E+B+1=14+11+1=26 → 26=16+10 で「A」、1繰り上がり
  • 3桁目:8+9+1=18 → 18=16+2 で「2」、1繰り上がり
  • 4桁目:D+F+1=13+15+1=29 → 29=16+13 で「D」、1繰り上がり

よって X0=1D2A6 です。

第3問(ウ)論理回路(フリップフロップ)
図4に示す論理回路は、NANDゲートによるフリップフロップ回路である。入力a及びbに図5に示す入力がある場合、図4の出力cは、図5の出力のうち(ウ)である。
令和5年度第2回 基礎 第3問(ウ) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①c1
  2. ②c2
  3. ③c3
  4. ④c4
  5. ⑤c5
  6. ⑥c6
正解と解説を見る
正解:⑤ c5

上側のNANDには、a と b のNOR(=a・b)が入ります。下側のNANDには、a と b のOR(=a・b)が入ります。2つの入力は常に逆なので、状態は保持されません。

  • a・b=0のとき:上側NANDの入力に0が入るので c=1
  • a・b=1のとき:下側NANDの入力が0で d=1、上側NANDは両入力1で c=0

つまり c=a・b です。区間ごとに a・b を求めると 0,0,0,1,0,0,0,1 なので、c は 1,1,1,0,1,1,1,0。これと一致するのはc5です。

第3問(エ)ブール代数
次の論理関数Xは、ブール代数の公式等を利用して変形し、簡単にすると、(エ)になる。
X=(A+B)・(A+C+A+B)
  1. ①0
  2. ②A+B
  3. ③A+C
  4. ④A・C+A・B
  5. ⑤A・B・C+A・B
正解と解説を見る
正解:④ A・C+A・B

ド・モルガンで A+C=A・C、A+B=A・B です。

X=(A+B)・(A・C+A・B)=A・C+A・A・B+A・B・C+A・B

A・A=0、A・C+A・B・C=A・C(吸収則)なので、X=A・C+A・B です。

第4問

第4問(ア)伝送理論(負荷電力の計算)
図において電気通信回線への入力電力が48ミリワット、その伝送損失が1キロメートル当たり0.8デシベル、増幅器の利得が30デシベルのとき、負荷抵抗R1で消費する電力は、(ア)ミリワットである。ただし、変成器は理想的なものとし、入出力各部のインピーダンスは整合しているものとする。
令和5年度第2回 基礎 第4問(ア) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①24
  2. ②48
  3. ③96
  4. ④120
  5. ⑤240
正解と解説を見る
正解:⑤ 240

回線25kmの損失は 0.8×25=20dB、増幅器で+30dBなので全体は+10dB(10倍)。変成器から出る電力は 48×10=480mW です。

2次側の600ΩのR1とR2は並列(合成300Ωで整合)なので、電力は半分ずつに分かれ、R1は240mWを消費します。

令和6年度第2回は入力24mW(答え120mW)、令和7年度第2回はR1の電力から線路長を求める問題でした。

第4問(イ)伝送理論(同軸ケーブルの損失)
同軸ケーブルは、一般的に使用される周波数帯において信号の周波数が4倍になると、その伝送損失は、約(イ)倍になる。
  1. ①1/4
  2. ②2
  3. ③4
  4. ④8
  5. ⑤16
正解と解説を見る
正解:② 2

同軸ケーブルの損失は、表皮効果により周波数の平方根に比例します。周波数が4倍なら損失は √4=2倍です。令和6年度第1回でも同じ内容が出題されています。

第4問(ウ)伝送理論(漏話)
漏話について述べた次の二つの記述は、(ウ)。

A 誘導回線の信号が被誘導回線に現れる漏話のうち、誘導回線の信号の伝送方向を正の方向とし、その反対方向を負の方向とすると、正の方向に現れるものは遠端漏話といわれる。

B 平衡対ケーブルにおいて電磁結合により生ずる漏話の大きさは、一般に、誘導回線のインピーダンスに反比例する。

  1. ①Aのみ正しい
  2. ②Bのみ正しい
  3. ③AもBも正しい
  4. ④AもBも正しくない
正解と解説を見る
正解:③ AもBも正しい

A・Bとも正しい。

A:信号と同じ向き(正の方向)に現れるのが遠端漏話、逆向きが近端漏話です(令和7年度第1回では逆にした誤りの文が出題)。

B:電磁結合による漏話は電流に比例するので、インピーダンスに反比例します(令和5年度第1回で出題)。

第4問(エ)伝送理論(電磁誘導電圧)
電力線からの誘導作用によって通信線に誘起される誘導電圧には、電磁誘導電圧と静電誘導電圧がある。このうち、電磁誘導電圧は、一般に、電力線の(エ)に比例する。
  1. ①インダクタンス
  2. ②電流
  3. ③電圧
  4. ④コンダクタンス
  5. ⑤抵抗
正解と解説を見る
正解:② 電流

電磁誘導電圧は電力線の電流に比例します(静電誘導電圧は電圧に比例)。令和8年度第1回とほぼ同じ問題です。

第5問

第5問(ア)デジタル変調(BPSK)
デジタル変調方式の一つであるBPSKは、1シンボル当たり(ア)の情報を伝送できる方式である。
  1. ①1バイト
  2. ②2バイト
  3. ③1ビット
  4. ④2ビット
  5. ⑤4ビット
正解と解説を見る
正解:③ 1ビット

BPSKは2つの位相(0と π)を使うので、1シンボルで1ビットです。QPSKは2ビット、8PSKは3ビット、16QAMは4ビット、64QAMは6ビットです。

第5問(イ)多元接続方式(CDMA)
デジタル移動通信などにおける多元接続方式のうち、ユーザごとに異なる符号を割り当て、スペクトル拡散技術を用いることにより一つの伝送路を複数のユーザで共用する方式は、(イ)といわれる。
  1. ①CDMA
  2. ②CSMA
  3. ③FDMA
  4. ④OFDMA
  5. ⑤TDMA
正解と解説を見る
正解:① CDMA

符号(Code)で分割するのがCDMA(符号分割多元接続)です。第3世代携帯電話(W-CDMAなど)で使われました。

第5問(ウ)減衰ひずみ
アナログ信号の伝送における減衰ひずみについて述べた次の二つの記述は、(ウ)。

A 減衰ひずみは、伝送路における信号の減衰量が周波数に対して一定でないために生ずるひずみである。

B 音声回線における減衰ひずみが大きいと、鳴音が発生したり反響が大きくなるなど、通話品質の低下の要因となる場合がある。

  1. ①Aのみ正しい
  2. ②Bのみ正しい
  3. ③AもBも正しい
  4. ④AもBも正しくない
正解と解説を見る
正解:③ AもBも正しい

A・Bとも正しい。周波数によって減衰量が違うと波形が崩れます(減衰ひずみ)。減衰量の周波数特性が乱れると反射やエコーにも影響し、通話品質が下がります。

第5問(エ)光ファイバ増幅器(ASE雑音)
光ファイバ増幅器を用いた光中継システムにおいて、光信号の増幅に伴い発生する自然放出光に起因する(エ)は、受信端におけるSN比の低下など、伝送特性劣化の要因となる。
  1. ①モード分配雑音
  2. ②ASE雑音
  3. ③熱雑音
  4. ④補間雑音
  5. ⑤暗電流
正解と解説を見る
正解:② ASE雑音

光ファイバ増幅器では、信号の増幅と同時に自然放出光も増幅されてしまいます。これがASE雑音(Amplified Spontaneous Emission)です。中継を重ねるほど蓄積します。

第5問(オ)光ファイバ(モード分散)
マルチモード光ファイバにおいては、光パルスが光ファイバ中を伝搬する間に、その波形に時間的な広がりが生ずる。この事象は主に(オ)に起因して発生し、信号波形を劣化させる支配的要因となる。
  1. ①構造分散
  2. ②材料分散
  3. ③ブリルアン散乱
  4. ④モード分散
  5. ⑤ラマン散乱
正解と解説を見る
正解:④ モード分散

マルチモードファイバでは、伝搬する経路(モード)ごとに到着時間が違うため、パルスが広がります。これがモード分散で、伝送帯域を制限する支配的な要因です。

シングルモードファイバではモード分散がなく、波長分散(構造分散+材料分散)が主な要因になります(令和5年度第1回で出題)。

解答一覧

問題分野正解
第1問(ア)直流回路(節点電圧)②
第1問(イ)交流回路(RL直列の電圧)④
第1問(ウ)電磁気(平行電流間の力)①
第1問(エ)交流回路(無効電力)⑤
第2問(ア)サイリスタ②
第2問(イ)トランジスタ増幅回路(電圧増幅度)④
第2問(ウ)トランジスタ増幅回路(結合コンデンサ)①
第2問(エ)トランジスタ(バイアス回路)④
第2問(オ)トランジスタ(ベース接地の電流増幅率)③
第3問(ア)論理回路(ベン図・論理和)③
第3問(イ)16進数の加算②
第3問(ウ)論理回路(フリップフロップ)⑤
第3問(エ)ブール代数④
第4問(ア)伝送理論(負荷電力の計算)⑤
第4問(イ)伝送理論(同軸ケーブルの損失)②
第4問(ウ)伝送理論(漏話)③
第4問(エ)伝送理論(電磁誘導電圧)②
第5問(ア)デジタル変調(BPSK)③
第5問(イ)多元接続方式(CDMA)①
第5問(ウ)減衰ひずみ③
第5問(エ)光ファイバ増幅器(ASE雑音)②
第5問(オ)光ファイバ(モード分散)④
過去問演習でこの回を解く

出典:一般財団法人日本データ通信協会 工事担任者試験問題(令和5年度第2回)。解説は当サイトが独自に作成したものです。誤りにお気づきの場合はご意見フォームからお知らせください。