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基礎令和3年度第2回 工事担任者 総合通信「基礎」過去問と解説

工事担任者試験(総合通信)令和3年度第2回の「電気通信技術の基礎」全22問を、問題文・選択肢・正解と、根拠や計算過程まで書いた解説つきでまとめました。各問の「正解と解説を見る」を開くと答えを確認できます。

第1問

第1問(ア)直流回路(キルヒホッフの法則)
図1に示す回路において、矢印のように電流が流れているとき、抵抗R2は、(ア)オームである。ただし、電池の内部抵抗は無視するものとする。
令和3年度第2回 基礎 第1問(ア) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①2
  2. ②4
  3. ③6
  4. ④8
  5. ⑤12
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正解:③ 6

左の経路では、76Vの電池から8Aが3Ωと2Ωを流れます。中央の節点の電圧は 76-8×(3+2)=36V です。

右の経路には4Aが流れ、12Vの電池(電流に逆らう向き)とR2があります。36=12+4×R2 より R2=24÷4=6Ω。

令和6年度第1回とまったく同じ形の問題です(数値違い)。

第1問(イ)交流回路(RLC直列の電圧)
図2に示す回路において、端子a-d間に(イ)ボルトの交流電圧を加えると、端子a-b間には9ボルト、端子b-c間には10ボルト、端子c-d間には22ボルトの電圧が現れる。
令和3年度第2回 基礎 第1問(イ) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①10
  2. ②12
  3. ③15
  4. ④18
  5. ⑤20
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正解:③ 15

コイルの電圧(10V)とコンデンサの電圧(22V)は逆向きなので差をとり、22-10=12V。抵抗の電圧9Vとは90°ずれています。

全体の電圧は √(9²+12²)=√225=15V(3:4:5の比)です。

第1問(ウ)時定数(RC回路)
抵抗とコンデンサの直列回路において、抵抗の値を2倍にし、コンデンサの静電容量の値を(ウ)倍にすると、回路の時定数は6倍になる。
  1. ①1/12
  2. ②1/3
  3. ③√3
  4. ④3
  5. ⑤12
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正解:④ 3

時定数 τ=RC なので、6÷2=3倍です。令和4年度第2回とまったく同じ問題文です。

第1問(エ)電磁気(誘電分極)
中身がくり抜かれていない絶縁体に対し、正に帯電した導体を近づけたとき、絶縁体の表面において、この導体に近い側に負、遠い側に正の電荷が現れる現象は、(エ)といわれる。
  1. ①双極子
  2. ②誘電正接
  3. ③電磁誘導
  4. ④局所電池
  5. ⑤誘電分極
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正解:⑤ 誘電分極

誘電分極です。令和6年度第2回とほぼ同じ問題文です。

第2問

第2問(ア)サイリスタ
サイリスタは、p形とn形の半導体を交互に二つ重ねたpnpnの4層構造を基本とした半導体(ア)素子であり、シリコン制御整流素子ともいわれる。
  1. ①受光
  2. ②発光
  3. ③スイッチング
  4. ④圧電
  5. ⑤フィルタリング
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正解:③ スイッチング

スイッチング素子です。令和5年度第2回とまったく同じ問題文です。

第2問(イ)トランジスタ(バイアス計算)
図に示すトランジスタ回路において、VBを2ボルト、VCCを12ボルト、RBを50キロオーム、RCを3キロオーム、ベースとエミッタ間の電圧VBEを1ボルトとするとき、コレクタ-エミッタ間の電圧VCEは、(イ)ボルトである。ただし、直流電流増幅率hFEは100とする。
令和3年度第2回 基礎 第2問(イ) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①2
  2. ②4
  3. ③5
  4. ④6
  5. ⑤8
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正解:④ 6

IB=(2-1)÷50kΩ=20μA、IC=100×20μA=2mA。

RCでの電圧降下は 2mA×3kΩ=6V なので、VCE=12-6=6V。令和5年度第1回とほぼ同じ形の問題です。

第2問(ウ)受光素子(PIN・APD)
半導体受光素子について述べた次の二つの記述は、(ウ)。

A PINフォトダイオードは、3層構造の受光素子であり、電流増幅作用は持たないが、アバランシェフォトダイオードと比較して低い動作電圧で利用できる。

B アバランシェフォトダイオードは、電子なだれ増倍現象による電流増幅作用を利用した受光素子であり、光検出器などに用いられる。

  1. ①Aのみ正しい
  2. ②Bのみ正しい
  3. ③AもBも正しい
  4. ④AもBも正しくない
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正解:③ AもBも正しい

A・Bとも正しい。

  • PINフォトダイオード:p層とn層の間に真性層(i層)を挟んだ3層構造。増幅作用はないが、低電圧で動作し雑音が少ない
  • アバランシェフォトダイオード(APD):高い逆電圧をかけ、なだれ増倍で電流を増幅する。感度が高く、長距離の光通信の受信に使われる
第2問(エ)電界効果トランジスタ(FET)
電界効果トランジスタについて述べた次の二つの記述は、(エ)。

A MOS型電界効果トランジスタは、金属、酸化膜及び半導体の3層から成り、ソース電極に加える電圧を変化させることにより反転層を変化させ、ドレイン-ゲート間を流れる電流を制御する半導体素子である。

B 接合型電界効果トランジスタは、ゲート電極に加える電圧を変化させることにより空乏層の厚さを変化させ、ドレイン-ソース間を流れる電流を制御する半導体素子である。

  1. ①Aのみ正しい
  2. ②Bのみ正しい
  3. ③AもBも正しい
  4. ④AもBも正しくない
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正解:② Bのみ正しい

A:MOS型FETはゲート電極の電圧で反転層(チャネル)を変化させ、ドレイン-ソース間の電流を制御します。誤り。

B:接合型FETの説明として正しい(令和6年度第2回でも同じ文)。

第2問(オ)トランジスタ(電流伝達特性)
トランジスタの静特性の一つである電流伝達特性は、エミッタ接地方式において、コレクタ-エミッタ間の電圧VCEを一定に保ったときのベース電流IBと(オ)との関係を示したものである。
  1. ①コレクタ電流IC
  2. ②ベース電圧VB
  3. ③エミッタ電流IE
  4. ④ベース-エミッタ間の電圧VBE
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正解:① コレクタ電流IC

コレクタ電流ICです。令和4年度第2回と同じ問題で、選択肢の順番が違います。

第3問

第3問(ア)論理回路(ベン図・論理積)
図1、図2及び図3に示すベン図において、A、B及びCが、それぞれの円の内部を表すとき、図1、図2及び図3の斜線部分を示すそれぞれの論理式の論理積は、(ア)と表すことができる。
令和3年度第2回 基礎 第3問(ア) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①A・B・C+A・B・C
  2. ②A・B・C+A・B・C
  3. ③A・B・C+A・B・C
  4. ④A・B・C+A+B+C
  5. ⑤A+B+C+A・B・C
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正解:① A・B・C+A・B・C

論理積は「3つの図すべてで斜線になっている部分」です。円を7つの領域に分けて図ごとに斜線の有無を確かめると、すべての図で斜線になっているのは次の2つです。

  • AとCが重なり、Bの外にある部分:A・B・C
  • BとCが重なり、Aの外にある部分:A・B・C

よって答えは A・B・C+A・B・C です。

第3問(イ)2進数の加算と16進数
表に示す2進数のX1、X2を用いて、計算式(加算)X0=X1+X2からX0を求め、これを16進数で表すと、(イ)になる。
X1101110
X2111101
  1. ①2C
  2. ②43
  3. ③6B
  4. ④CB
  5. ⑤D3
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正解:③ 6B

X1=101110=46、X2=111101=61 なので、X0=107。

107=6×16+11 なので、16進数では 6B です(11=B)。

第3問(ウ)論理回路(フリップフロップ)
図4に示す論理回路は、NANDゲートによるフリップフロップ回路である。入力a及びbに図5に示す入力がある場合、図4の出力cは、図5の出力のうち(ウ)である。
令和3年度第2回 基礎 第3問(ウ) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①c1
  2. ②c2
  3. ③c3
  4. ④c4
  5. ⑤c5
  6. ⑥c6
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正解:① c1

2つのNANDゲートには、前段のゲートから常に互いに逆の値が入るため、このフリップフロップは状態を保持しません。出力を区間ごとに求めると、c は a・b の否定(a・b)になります。

区間ごとに a・b は 0,0,0,1,0,0,0,1 なので、c は 1,1,1,0,1,1,1,0。これと一致するのはc1です。

フリップフロップの問題は、前段の出力が「上下で常に逆になっているか」を最初に確かめると、記憶動作を考えずに済み、速く解けます。

第3問(エ)ブール代数
次の論理関数Xは、ブール代数の公式等を利用して変形し、簡単にすると、(エ)になる。
X=(A+B+C)・(A+B+A+C)
  1. ①A+C
  2. ②A+B+C
  3. ③A・B+A・C
  4. ④A・B+A・C
  5. ⑤A・B+B・C
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正解:③ A・B+A・C

ド・モルガンで A+B=A・B、A+C=A・C です。

X=(A+B+C)・(A・B+A・C)。A・B も A・C も (A+B+C) に含まれる領域なので、掛けても変わりません。

よって X=A・B+A・C です。

第4問

第4問(ア)伝送理論(漏話と増幅器)
図1において、電気通信回線1への入力電圧が145ミリボルト、電気通信回線1から電気通信回線2への遠端漏話減衰量が58デシベル、増幅器の利得が(ア)デシベルのとき、電圧計の読みは、14.5ミリボルトである。ただし、入出力各部のインピーダンスは全て同一値で整合しているものとする。
令和3年度第2回 基礎 第4問(ア) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①28
  2. ②38
  3. ③48
  4. ④58
  5. ⑤68
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正解:② 38

145mVに対して14.5mVなので1/10倍、つまり-20dBです。

-58+G=-20 より、増幅器の利得は38dB。令和5年度第1回(遠端漏話66dBで46dB)と同じ形の問題です。

第4問(イ)伝送理論(同軸ケーブルの損失)
同軸ケーブルは、一般的に使用される周波数帯において信号の周波数が4倍になると、その伝送損失は、約(イ)倍になる。
  1. ①1/4
  2. ②1/2
  3. ③2
  4. ④4
  5. ⑤8
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正解:③ 2

同軸ケーブルの損失は周波数の平方根に比例するので、約2倍です。令和5年度第2回とほぼ同じ問題です。

第4問(ウ)伝送理論(SN比)
図2に示すアナログ方式の伝送路において、受端のインピーダンスZに加わる信号電力が25ミリワットで、同じ伝送路の無信号時の雑音電力が0.025ミリワットであるとき、この伝送路の受端におけるSN比は、(ウ)デシベルである。
令和3年度第2回 基礎 第4問(ウ) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①10
  2. ②15
  3. ③20
  4. ④30
  5. ⑤60
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正解:④ 30

SN比=10 log10(25÷0.025)=10 log101000=30dB。令和6年度第1回と同じ形の問題です。

第4問(エ)伝送理論(電流反射係数)
図3に示すように、異なる特性インピーダンスZ01、Z02の通信線路を接続して信号を伝送したとき、その接続点における電圧反射係数をmとすると、電流反射係数は、(エ)で表される。
令和3年度第2回 基礎 第4問(エ) 問題図
問題図(出典:日本データ通信協会)
  1. ①1+m
  2. ②1-m
  3. ③-m
  4. ④m
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正解:③ -m

電流反射係数は -m です。令和4年度第2回・令和6年度第2回でも出題されています。

第5問

第5問(ア)アナログ変調(過変調)
アナログ振幅変調方式において、搬送波の振幅の最大値に対する信号波の振幅の最大値の比で示される変調度が(ア)場合は、過変調といわれ、一般に、復調波にひずみが生ずる。
  1. ①ゼロである
  2. ②0.5である
  3. ③0.5より大きくて1より小さい
  4. ④1である
  5. ⑤1より大きい
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正解:⑤ 1より大きい

変調度が1より大きいと過変調になります。令和6年度第1回では「過変調」の方が空欄でした。

第5問(イ)減衰ひずみ
アナログ信号の伝送における減衰ひずみについて述べた次の二つの記述は、(イ)。

A 音声回線における減衰ひずみが大きいと、鳴音が発生したり反響が大きくなるなど、通話品質の低下の要因となる場合がある。

B 減衰ひずみは、非直線ひずみの一種であり、伝送路における信号の減衰量が周波数に対して比例関係にあるために生ずるひずみである。

  1. ①Aのみ正しい
  2. ②Bのみ正しい
  3. ③AもBも正しい
  4. ④AもBも正しくない
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正解:① Aのみ正しい

A:正しい。

B:減衰ひずみは、減衰量が周波数に対して一定でないために生じる線形ひずみです。入出力が比例しないために生じる非直線ひずみとは別物なので誤り。

第5問(ウ)光中継器(一括増幅)
光ファイバ伝送路に用いられる線形中継器は、信号を中継する過程において光信号を電気信号に変換する必要がないことから伝送速度に制約されず、かつ、波長が異なる複数の信号光の(ウ)が可能である。
  1. ①識別再生
  2. ②一括増幅
  3. ③モード結合
  4. ④分散制御
  5. ⑤遅延制御
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正解:② 一括増幅

一括増幅です。令和5年度第1回と同じ問題で、選択肢の順番が違います。

第5問(エ)伝送品質(%ESの計算)
伝送速度が64キロビット/秒の回線において、ビットエラーの発生状況を100秒間調査したところ、特定の2秒間に集中して発生し、その2秒間の合計のビットエラーは640個となった。このときの%ESの値は、(エ)パーセントとなる。
  1. ①0.01
  2. ②1
  3. ③2
  4. ④3.2
  5. ⑤6.4
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正解:③ 2

エラーがあったのは2秒なので、%ES=2÷100×100=2%。エラーの個数(640個)は関係ありません。令和6年度第2回(200秒で1%)と同じ形の問題です。

第5問(オ)光ファイバ(レイリー散乱)
光ファイバ中の屈折率の微小な変化(揺らぎ)によって光が散乱する現象は(オ)散乱といわれ、光損失の要因の一つとなり、これによる損失は光波長の4乗に反比例する。
  1. ①レイリー
  2. ②ラマン
  3. ③ブリルアン
  4. ④トムソン
  5. ⑤コンプトン
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正解:① レイリー

レイリー散乱です。令和6年度第1回とほぼ同じ問題文です。

解答一覧

問題分野正解
第1問(ア)直流回路(キルヒホッフの法則)③
第1問(イ)交流回路(RLC直列の電圧)③
第1問(ウ)時定数(RC回路)④
第1問(エ)電磁気(誘電分極)⑤
第2問(ア)サイリスタ③
第2問(イ)トランジスタ(バイアス計算)④
第2問(ウ)受光素子(PIN・APD)③
第2問(エ)電界効果トランジスタ(FET)②
第2問(オ)トランジスタ(電流伝達特性)①
第3問(ア)論理回路(ベン図・論理積)①
第3問(イ)2進数の加算と16進数③
第3問(ウ)論理回路(フリップフロップ)①
第3問(エ)ブール代数③
第4問(ア)伝送理論(漏話と増幅器)②
第4問(イ)伝送理論(同軸ケーブルの損失)③
第4問(ウ)伝送理論(SN比)④
第4問(エ)伝送理論(電流反射係数)③
第5問(ア)アナログ変調(過変調)⑤
第5問(イ)減衰ひずみ①
第5問(ウ)光中継器(一括増幅)②
第5問(エ)伝送品質(%ESの計算)③
第5問(オ)光ファイバ(レイリー散乱)①
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出典:一般財団法人日本データ通信協会 工事担任者試験問題(令和3年度第2回)。解説は当サイトが独自に作成したものです。誤りにお気づきの場合はご意見フォームからお知らせください。