基礎令和3年度第1回 工事担任者 総合通信「基礎」過去問と解説
工事担任者試験(総合通信)令和3年度第1回の「電気通信技術の基礎」全22問を、問題文・選択肢・正解と、根拠や計算過程まで書いた解説つきでまとめました。各問の「正解と解説を見る」を開くと答えを確認できます。
第1問
第1問(ア)直流回路(コンデンサの直並列)
図1に示す回路において、端子b-c間に蓄えられる電荷は、(ア)マイクロクーロンである。
問題図(出典:日本データ通信協会)
- ①60
- ②80
- ③100
- ④120
- ⑤140
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正解:④ 120
a-b間はC1=12μFとC2=6μFの並列で18μF、b-c間はC3=3μFとC4=6μFの並列で9μFです。
これらの直列で、合成容量は 18×9÷(18+9)=6μF。蓄えられる電荷は Q=6×20=120μC。直列部分には同じ電荷が蓄えられるので、b-c間も120μCです。
令和5年度第1回と同じ形の問題です(数値違い)。
第1問(イ)交流回路(RLC直列)
図2に示す回路において、端子a-b間の合成インピーダンスは、(イ)オームである。
問題図(出典:日本データ通信協会)
- ①13
- ②15
- ③17
- ④19
- ⑤21
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正解:③ 17
リアクタンスは X=18-3=15Ω。合成インピーダンスは Z=√(8²+15²)=√289=17Ω(8:15:17の比)です。
第1問(ウ)電磁気(平行平板コンデンサ)
面積Aの金属板2枚を間隔dだけ隔てて平行に置き、その間を誘電率εの誘電体で満たした平行板コンデンサがある。このコンデンサの静電容量をCとすると、これらの間にはC=(ウ)の関係がある。
- ①εdA
- ②εA/d
- ③εd/A
- ④A/(εd)
- ⑤d/(εA)
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正解:② εA/d
C=εA/d です。面積と誘電率に比例し、間隔に反比例します。
第1問(エ)交流回路(無効電力)
正弦波交流回路において、電圧の実効値をEボルト、電流の実効値をIアンペア、電圧と電流の位相差をθラジアンとすると、無効電力は、(エ)バールである。
- ①EI
- ②EI tanθ
- ③EI(1-cosθ)
- ④EI cosθ
- ⑤EI sinθ
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正解:⑤ EI sinθ
無効電力は EI sinθ〔var〕です。令和5年度第2回とまったく同じ問題です。
第2問
第2問(ア)半導体(拡散)
半導体中の自由電子又は正孔に濃度差があるとき、自由電子又は正孔が濃度の高い方から低い方に移動する現象は、(ア)といわれる。
- ①整合
- ②拡散
- ③イオン化
- ④再結合
- ⑤帰還
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正解:② 拡散
拡散です。令和6年度第1回とまったく同じ問題文です。
第2問(イ)トランジスタ(バイアス計算)
図に示すトランジスタ回路において、VCCが10ボルト、RBが930キロオーム、RCが(イ)キロオームのとき、コレクタ-エミッタ間の電圧VCEは、6ボルトである。ただし、直流電流増幅率hFEを50、ベース-エミッタ間のバイアス電圧VBEを0.7ボルトとする。
問題図(出典:日本データ通信協会)
- ①4
- ②6
- ③8
- ④10
- ⑤12
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正解:③ 8
IB=(10-0.7)÷930kΩ=10μA、IC=50×10μA=0.5mA。RC=(10-6)÷0.5mA=8kΩ。令和7年度第1回とまったく同じ問題です。
第2問(ウ)トランジスタ増幅回路(結合コンデンサ)
トランジスタ増幅回路において出力信号を取り出す場合、(ウ)を通して直流分をカットし、交流分のみを取り出す方法がある。
- ①抵抗
- ②コイル
- ③変調回路
- ④コンデンサ
- ⑤平滑回路
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正解:④ コンデンサ
コンデンサです。令和5年度第2回と同じ問題で、選択肢の順番が違います。
第2問(エ)MOS型電界効果トランジスタ
MOS型電界効果トランジスタについて述べた次の二つの記述は、(エ)。
A MOS型電界効果トランジスタには、ゲート電圧を加えなくてもチャネルが形成されるデプレション型と、ゲート電圧を加えなければチャネルが形成されないエンハンスメント型がある。
B MOS型電界効果トランジスタは、ドレイン-ソース間を流れる電流をゲート電圧の変化により制御できるので電圧制御素子といわれる。
- ①Aのみ正しい
- ②Bのみ正しい
- ③AもBも正しい
- ④AもBも正しくない
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正解:③ AもBも正しい
A・Bとも正しい。令和6年度第2回では、Aのデプレション型とエンハンスメント型を入れ替えた誤りの文が出題されています。
電流で制御するバイポーラトランジスタは「電流制御素子」、ゲート電圧で制御するFETは「電圧制御素子」です。
第2問(オ)トランジスタ(出力特性)
トランジスタの静特性の一つである出力特性は、エミッタ接地方式において、ベース電流IBを一定に保ったときのコレクタ電流ICと(オ)との関係を示したものである。
- ①ベース-コレクタ間の電圧VBC
- ②コレクタ-エミッタ間の電圧VCE
- ③エミッタ電流IE
- ④ベース-エミッタ間の電圧VBE
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正解:② コレクタ-エミッタ間の電圧VCE
出力特性は、出力側のVCEとICの関係です。令和7年度第1回では「出力」の方が空欄でした。
第3問
第3問(ア)論理回路(ベン図)
図1〜図5に示すベン図において、A、B及びCが、それぞれの円の内部を表すとき、斜線部分を示す論理式が A・C・B+A・B・C と表すことができるベン図は、(ア)である。
問題図(出典:日本データ通信協会)
- ①図1
- ②図2
- ③図3
- ④図4
- ⑤図5
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正解:④ 図4
A・C・B はBの円から中央(A・B・C)を除いた部分、A・B・C はCの円から中央を除いた部分です。
合わせると「BとCの円全体から中央を除いたもの」になり、これが斜線の図4が正解です。
令和4年度第2回にも同じ式の問題が出ていますが、図の並びが違い、答えは図5でした。番号ではなく領域で確認しましょう。
第3問(イ)2進数の加算
表に示す2進数のX
1〜X
3を用いて、計算式(加算)X
0=X
1+X
2+X
3からX
0を求め、2進数で表示し、X
0の先頭から(左から)2番目と3番目と4番目の数字を順に並べると、(イ)である。
- ①000
- ②011
- ③100
- ④101
- ⑤111
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正解:③ 100
10進数で 61+23+12=96。96を2進数にすると 1100000(64+32)です。
左から2〜4番目は「1・0・0」なので、答えは100です。
第3問(ウ)論理回路(フリップフロップ)
図6に示す論理回路は、NORゲートによるフリップフロップ回路である。入力a及びbに図7に示す入力がある場合、図6の出力dは、図7の出力のうち(ウ)である。
問題図(出典:日本データ通信協会)
- ①d1
- ②d2
- ③d3
- ④d4
- ⑤d5
- ⑥d6
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正解:③ d3
上側のNORには a・b(NAND)が、下側のNORには a と b のNOR(=a・b)が入ります。2つの入力は常に逆なので、状態は保持されません。
- a・b=1のとき:下側NORの入力に1が入るので d=0
- a・b=0のとき:上側NORの入力に1が入り c=0、下側NORは両入力0で d=1
つまり d=a・b。区間ごとに 1,1,1,0,1,1,1,0 となり、これと一致するのはd3です。令和8年度第1回とほぼ同じ回路です。
第3問(エ)ブール代数
次の論理関数Xは、ブール代数の公式等を利用して変形し、簡単にすると、(エ)になる。
X=((A+B)+(A+C))・((A+B)+(A+C))
- ①A・C+B
- ②B+C
- ③A・C+A・C
- ④A・C+B
- ⑤A・C+A・C+B
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正解:② B+C
かっこの中を整理すると、X=(A+B+C)・(A+B+C) です。
(A+Y)(Ā+Y)=Y(Y=B+C)なので、X=B+C です。
第4問
第4問(ア)伝送理論(負荷電力の計算)
図1において電気通信回線への入力電力が24ミリワット、その伝送損失が1キロメートル当たり0.8デシベル、増幅器の利得が30デシベルのとき、負荷抵抗R1で消費する電力は、(ア)ミリワットである。ただし、変成器は理想的なものとし、入出力各部のインピーダンスは整合しているものとする。
問題図(出典:日本データ通信協会)
- ①24
- ②48
- ③96
- ④120
- ⑤240
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正解:④ 120
回線の損失は20dB、増幅器で+30dBなので全体で+10dB(10倍)。変成器から出る電力は240mWで、並列のR1とR2に半分ずつ分かれるので、R1は120mWです。令和6年度第2回とまったく同じ問題です。
第4問(イ)伝送理論(電磁結合による漏話)
平衡対ケーブルが誘導回線から受ける電磁的結合による漏話の大きさは、一般に、誘導回線のインピーダンスに(イ)。
- ①関係しない
- ②比例する
- ③反比例する
- ④等しい
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正解:③ 反比例する
電磁的結合による漏話は電流に比例するので、インピーダンスに反比例します。令和5年度第1回と同じ問題で、選択肢の順番が違います。
第4問(ウ)伝送理論(変成器による整合)
図2において、通信線路1の特性インピーダンスが240オーム、通信線路2の特性インピーダンスが540オームのとき、巻線比(n1:n2)が(ウ)の変成器を使うと、線路の接続点における反射損失はゼロとなる。ただし、変成器は理想的なものとする。
問題図(出典:日本データ通信協会)
- ①2:3
- ②3:2
- ③3:5
- ④4:3
- ⑤4:5
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正解:① 2:3
インピーダンス比は巻線比の2乗なので、n1:n2=√240:√540=√4:√9=2:3。令和7年度第2回と同じ問題です。
第4問(エ)伝送理論(電圧反射係数の式)
図3において、一方の通信線路の特性インピーダンスをZ01、もう一方の通信線路の特性インピーダンスをZ02とすると、その接続点における電圧反射係数は、(エ)で求められる。
問題図(出典:日本データ通信協会)
- ①(Z01-Z02)/(Z01+Z02)
- ②(Z02-Z01)/(Z01+Z02)
- ③2Z02/(Z01+Z02)
- ④2Z01/(Z01+Z02)
- ⑤Z01Z02/(Z01+Z02)
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正解:② (Z02-Z01)/(Z01+Z02)
伝送方向がZ01→Z02のとき、電圧反射係数は (Z02-Z01)/(Z01+Z02) です。
①は電流反射係数、③は電圧透過係数(=1+電圧反射係数)です。
第5問
第5問(ア)アナログ変調(変調度)
図は正弦搬送波を正弦信号波で振幅変調したときの変調波形(図中の破線は変調波の包絡線を示す。)を示したものである。図に示す変調波形の振幅の最大値をaボルト、最小値をbボルトとすると、変調度は(ア)である。
問題図(出典:日本データ通信協会)
- ①b/a
- ②(a-b)/a
- ③a/(a+b)
- ④b/(a+b)
- ⑤(a-b)/(a+b)
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正解:⑤ (a-b)/(a+b)
変調度は m=(最大値-最小値)÷(最大値+最小値)=(a-b)/(a+b) です。
最小値bが0になるとき m=1(100%変調)、bがaに近づくほど m は0に近づきます。
第5問(イ)多元接続方式(CDMA)
デジタル移動通信などにおける多元接続方式の一つであり、各ユーザに異なる符号を割り当て、スペクトル拡散技術を用いることにより一つの伝送路を複数のユーザで共用する方式は、(イ)といわれる。
- ①SDMA
- ②CDMA
- ③OFDMA
- ④FDMA
- ⑤TDMA
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正解:② CDMA
CDMAです。令和5年度第2回と同じ問題で、選択肢の順番が違います。
第5問(ウ)デジタル伝送の雑音
デジタル伝送方式における雑音について述べた次の二つの記述は、(ウ)。
A アナログ信号をデジタル化して伝送する方式では、アナログ信号の連続量を離散的な値に変換するときの誤差により生ずる雑音は避けられない。
B PCM伝送に特有の雑音には、量子化雑音、ランダム雑音、熱雑音などがある。
- ①Aのみ正しい
- ②Bのみ正しい
- ③AもBも正しい
- ④AもBも正しくない
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正解:① Aのみ正しい
A:正しい。B:ランダム雑音や熱雑音はPCMに特有ではありません。誤り。令和7年度第1回とA・Bを入れ替えた問題です。
第5問(エ)伝送品質(%SES)
デジタル回線の伝送品質を評価する尺度のうち、1秒ごとに平均符号誤り率を測定し、平均符号誤り率が1×10-3を超える符号誤りの発生した秒の延べ時間(秒)が、稼働時間(秒)に占める割合を表したものは、(エ)といわれる。
- ①BER
- ②%EFS
- ③%SES
- ④%ES
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正解:③ %SES
%SESです。令和5年度第1回と同じ問題で、選択肢の順番が違います。
第5問(オ)再生中継器(3R機能)
光中継伝送システムに用いられる再生中継器には、中継区間における信号の減衰、伝送途中で発生する雑音、ひずみなどにより劣化した信号波形を再生中継するための機能として、(オ)、タイミング抽出(Retiming)及び識別再生(Regenerating)の三つの機能が必要であり、これは3R機能といわれる。
- ①強度変調
- ②位相検波
- ③光合分波
- ④等化増幅
- ⑤波長多重
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正解:④ 等化増幅
3R機能は、等化増幅(Reshaping)・タイミング抽出(Retiming)・識別再生(Regenerating)です。
解答一覧
出典:一般財団法人日本データ通信協会 工事担任者試験問題(令和3年度第1回)。解説は当サイトが独自に作成したものです。誤りにお気づきの場合はご意見フォームからお知らせください。