技術トラヒック理論の要点と過去問
技術の第5問で毎回出題されるテーマです。用語・前提の正誤(ア・イ)と計算(ウ)の組み合わせがほぼ固定なので、公式と用語の区別を押さえれば確実な得点源になります。
覚える公式
| 呼量(アーラン) | a=呼数×平均保留時間÷調査時間(単位をそろえる)=総保留時間÷調査時間 |
|---|---|
| 運ばれた呼量 | ac=a(1-B)。平均同時接続数(平均使用回線数)に等しい |
| 呼損率 | B=(加わった呼量-運ばれた呼量)÷加わった呼量 |
| 出線能率 | η=運ばれた呼量÷出回線数(=回線の平均使用率) |
| 総合呼損率 | 1-(1-B1)(1-B2)…(1-Bn)。各Bが小さければ ≒ B1+B2+…(和) |
| リトルの公式 | L=λW(平均待ち呼数=呼の生起率×平均待ち時間) |
| アーランB式 | B=(aⁿ/n!)÷(1+a/1!+a²/2!+…+aⁿ/n!) |
正誤問題でねらわれる用語の区別
- 呼損率と待合せ率:出回線が全部ふさがっている確率を、即時式では「呼損率」、待時式では「待合せ率」という。待時式で「呼損率」とした文は誤り。
- アーランB式の前提:入回線数が無限・出回線数が有限の即時式完全線群に、ランダム呼が加わる。保留時間は指数分布で、損失呼は消滅する(再発信しない)。有限・無限を入れ替えた文や「再発信する」とした文が誤りの定番。
- 完全線群と不完全線群:条件が同じなら、使える出回線が限られる不完全線群の方が呼損率は大きい。
- 即時式と待時式:同じ条件なら、呼が失われず待つ待時式の方が出線能率は高い。
- 出線能率の割り算の向き:「出回線数÷運ばれた呼量」とした文は誤り。
- ランダム呼:十分短い時間に2つ以上の呼が生起する確率は無視できる。呼の生起は時間によらず一定で、前の呼とは独立。
- 完了呼:着信者が応答したかどうかで決まる。誤ダイヤルでも応答があれば完了呼。
計算問題(ウ)の4つの型
- 平均待ち時間(図を読む):a=人数×応対時間÷60 → 使用率 a/n → 図の曲線で W/h を読む → W=(W/h)×h(秒)。例:6人・24人/時・6分なら a=2.4、使用率0.4、W/h≒0.01、W=3.6秒。
- 負荷表で必要な回線数:呼量を出し、指定された呼損率(待合せ率)の列で、その呼量以上を扱える最小の回線数を探す。増設数=必要数-現在の数。
- 出線能率(表の平均):調査値の平均=運ばれた呼量。それを出回線数で割る。例:平均4回線÷16回線=25%。
- 呼損率:運ばれた呼量=回線数×使用率。例:25回線×0.6=15、(20-15)÷20=0.25。
過去11回の出題一覧(33問)
令和3年度第1回〜令和8年度第1回の総合通信から、この分野の問題を集めました。リンク先の解説ページで、問題文と詳しい解説を確認できます。
| 回 | 問題 | 小テーマ | 正解 |
|---|---|---|---|
| 令和8年度第1回 | 第5問(ア) | トラヒック理論(用語) | ② Bのみ正しい |
| 令和8年度第1回 | 第5問(イ) | トラヒック理論(リトルの公式) | ① λW |
| 令和8年度第1回 | 第5問(ウ) | トラヒック理論(呼損率の計算) | ② 0.25 |
| 令和7年度第2回 | 第5問(ア) | トラヒック(輻輳) | ③ AもBも正しい |
| 令和7年度第2回 | 第5問(イ) | トラヒック(完全群と不完全群) | ① 即時式不完全群の方が大きい |
| 令和7年度第2回 | 第5問(ウ) | トラヒック(平均待ち時間) | ② 3.6 |
| 令和7年度第1回 | 第5問(ア) | トラヒック(呼損率・運ばれた呼量) | ② Bのみ正しい |
| 令和7年度第1回 | 第5問(イ) | トラヒック量 | ③ トラヒック量 |
| 令和7年度第1回 | 第5問(ウ) | トラヒック(出線能率) | ④ 25 |
| 令和6年度第2回 | 第5問(ア) | トラヒック(アーランB式) | ⑤ 入線数無限、出線数有限 |
| 令和6年度第2回 | 第5問(イ) | トラヒック(リトルの公式) | ④ λW |
| 令和6年度第2回 | 第5問(ウ) | トラヒック(呼損率・呼量の計算) | ② Bのみ正しい |
| 令和6年度第1回 | 第5問(ア) | トラヒック(ランダム呼) | ① Aのみ正しい |
| 令和6年度第1回 | 第5問(イ) | トラヒック(総合呼損率) | ④ 和 |
| 令和6年度第1回 | 第5問(ウ) | トラヒック(即時式負荷表) | ③ 3 |
| 令和5年度第2回 | 第5問(ア) | トラヒック(運ばれた呼量) | ④ 平均呼数 |
| 令和5年度第2回 | 第5問(イ) | トラヒック(アーランの損失式) | ① (aⁿ/n!) ÷ (1+a/1!+a²/2!+…+aⁿ/n!) |
| 令和5年度第2回 | 第5問(ウ) | トラヒック(出線能率) | ③ 20 |
| 令和5年度第1回 | 第5問(ア) | トラヒック理論(アーランB式) | ④ AもBも正しくない |
| 令和5年度第1回 | 第5問(イ) | トラヒック理論(呼損率) | ⑤ (a-Nη)/a |
| 令和5年度第1回 | 第5問(ウ) | トラヒック理論(待時式) | ① 2人 |
| 令和4年度第2回 | 第5問(ア) | トラヒック(出線能率・運ばれた呼量) | ② Bのみ正しい |
| 令和4年度第2回 | 第5問(イ) | トラヒック(呼損率の計算) | ③ 0.32 |
| 令和4年度第2回 | 第5問(ウ) | トラヒック(平均待ち時間) | ⑤ 14.4 |
| 令和4年度第1回 | 第5問(ア) | トラヒック(平均回線保留時間) | ⑤ ac×T×3,600/C |
| 令和4年度第1回 | 第5問(イ) | トラヒック(完全線群と不完全線群) | ③ 即時式不完全線群の方が大きい |
| 令和4年度第1回 | 第5問(ウ) | トラヒック(即時式負荷表) | ② 2 |
| 令和3年度第2回 | 第5問(ア) | トラヒック(待合せ率・出線能率) | ② Bのみ正しい |
| 令和3年度第2回 | 第5問(イ) | トラヒック(総合呼損率の式) | ① 1-(1-B1)(1-B2)…(1-Bn) |
| 令和3年度第2回 | 第5問(ウ) | トラヒック(出線能率) | ④ 25 |
| 令和3年度第1回 | 第5問(ア) | トラヒック(アーランB式の前提) | ② Bのみ正しい |
| 令和3年度第1回 | 第5問(イ) | トラヒック量 | ③ トラヒック量 |
| 令和3年度第1回 | 第5問(ウ) | トラヒック(平均待ち時間) | ④ 7.2 |
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過去問演習で解いてみる出典:一般財団法人日本データ通信協会 工事担任者試験問題。要点のまとめと解説は当サイトが独自に作成したものです。