📡
工事担任者 過去問部屋
総合通信|分野別まとめ

基礎伝送理論の要点と過去問

基礎の第4問は、毎回すべて伝送理論です。(ア)の計算は「回線の損失・増幅器の利得・変成器」を順にたどる形がほぼ固定なので、手順を身につければ確実に得点できます。

デシベルの基本

電力比10 log10(P2/P1)〔dB〕。10倍=10dB、100倍=20dB、1/10倍=-10dB
電圧・電流比20 log10(V2/V1)〔dB〕。10倍=20dB、1/10倍=-20dB
SN比10 log10(信号電力÷雑音電力)。dBmで与えられたら「信号レベル-雑音レベル」
レベル1mWとの比が絶対レベル〔dBm〕、基準点との比が相対レベル〔dBr〕

伝送量の計算(第4問(ア))の手順

  1. 回線の損失:損失〔dB/km〕×長さ〔km〕。
  2. 全体の伝送量:-回線の損失+増幅器の利得。+10dBなら電力10倍。
  3. 変成器:理想変成器は電力を変えない。電圧で問われたときだけ巻線比が効く(巻線比 n1:n2 なら電圧は n2/n1 倍)。
  4. 負荷の並列:2次側の600Ω×2の並列(合成300Ωで整合)なら、電力は半分ずつに分かれる。

例:損失0.8dB/km×25km=20dB、増幅器+30dB → 全体+10dB(10倍)。入力24mWなら変成器から240mW、R1はその半分の120mW。漏話の問題も「-漏話減衰量+増幅器の利得=全体のdB」で同じように解けます。

反射と整合

  • 電圧反射係数 m=(Z2-Z1)/(Z2+Z1)(Z1:送端側、Z2:受端側)。電流反射係数は符号が逆の -m。電圧透過係数は 1+m。
  • 例:280Ω→520Ω なら m=240÷800=0.3。伝送方向を逆に読まないこと。
  • 変成器による整合:インピーダンス比は巻線比の2乗。240Ω:540Ω なら巻線比は √4:√9=2:3(4:9を選ばない)。

線路の性質

  • 伝送損失:音声周波数帯ではおおよそ √(導体抵抗×静電容量) に比例。導体抵抗を小さく、導体間隔を広げて静電容量を小さくすると損失は減る。
  • 同軸ケーブル:表皮効果により損失は周波数の平方根に比例(周波数4倍で約2倍)。
  • 特性インピーダンス(音声周波):Z≒√(R/2πfC)。周波数と静電容量の平方根に反比例、導体抵抗の平方根に比例。
  • ひずみのない伝送:減衰量が周波数によらず一定で、位相変化が周波数に比例する(R/L=G/C)。
  • ひずみの種類:周波数で減衰量が違う=減衰ひずみ、伝わる時間が違う=位相ひずみ、入出力が比例しない=非直線ひずみ(高調波が出る)。

漏話と誘導

  • 信号と同じ向き(遠い側)に現れるのが遠端漏話、逆向き(送信側)が近端漏話。
  • 電磁的結合による漏話は電流に比例=インピーダンスに反比例。静電的結合による漏話は電圧に比例=インピーダンスに比例。
  • 電力線からの誘導:電磁誘導電圧は電流に比例、静電誘導電圧は電圧に比例(「電磁→電流、静電→電圧」)。

過去11回の出題一覧(44問)

令和3年度第1回〜令和8年度第1回の総合通信から、この分野の問題を集めました。リンク先の解説ページで、問題文と詳しい解説を確認できます。

回問題小テーマ正解
令和8年度第1回第4問(ア)伝送理論(漏話・変成器)⑤ 60
令和8年度第1回第4問(イ)伝送理論(伝送損失)② 単位長さ当たりの心線導体抵抗
令和8年度第1回第4問(ウ)伝送理論(特性インピーダンス)③ 平方根に反比例し、導体抵抗の平方根に比例
令和8年度第1回第4問(エ)伝送理論(誘導電圧)① 電流
令和7年度第2回第4問(ア)伝送理論(伝送損失と線路長)② 20
令和7年度第2回第4問(イ)伝送理論(伝送損失)④ AもBも正しくない
令和7年度第2回第4問(ウ)伝送理論(ひずみのない伝送)③ 周波数
令和7年度第2回第4問(エ)伝送理論(変成器による整合)① 2:3
令和7年度第1回第4問(ア)伝送理論(伝送損失の計算)④ 1.4
令和7年度第1回第4問(イ)伝送理論(相対レベル)② 相対レベル
令和7年度第1回第4問(ウ)伝送理論(漏話)① Aのみ正しい
令和7年度第1回第4問(エ)伝送理論(電流反射係数)④ 0.1
令和6年度第2回第4問(ア)伝送理論(伝送損失と負荷電力)④ 120
令和6年度第2回第4問(イ)伝送理論(特性インピーダンス)② 平方根に反比例し、導体抵抗の平方根に比例
令和6年度第2回第4問(ウ)伝送理論(SN比)④ -50
令和6年度第2回第4問(エ)伝送理論(電流反射係数)① -m
令和6年度第1回第4問(ア)伝送理論(入力電力の計算)① 8
令和6年度第1回第4問(イ)伝送理論(伝送損失)② Bのみ正しい
令和6年度第1回第4問(ウ)伝送理論(SN比)③ 40
令和6年度第1回第4問(エ)伝送理論(ひずみのない伝送)④ 周波数
令和5年度第2回第4問(ア)伝送理論(負荷電力の計算)⑤ 240
令和5年度第2回第4問(イ)伝送理論(同軸ケーブルの損失)② 2
令和5年度第2回第4問(ウ)伝送理論(漏話)③ AもBも正しい
令和5年度第2回第4問(エ)伝送理論(電磁誘導電圧)② 電流
令和5年度第1回第4問(ア)伝送理論(漏話・デシベル)③ 46
令和5年度第1回第4問(イ)伝送理論(漏話)② 反比例する
令和5年度第1回第4問(ウ)伝送理論(反射係数)⑤ 0.3
令和5年度第1回第4問(エ)伝送理論(ひずみ)② 非直線
令和4年度第2回第4問(ア)伝送理論(入力電力)③ 60
令和4年度第2回第4問(イ)伝送理論(減衰定数)② 信号の周波数
令和4年度第2回第4問(ウ)伝送理論(漏話)③ AもBも正しい
令和4年度第2回第4問(エ)伝送理論(電流反射係数)④ -m
令和4年度第1回第4問(ア)伝送理論(入力電圧の計算)③ 27
令和4年度第1回第4問(イ)伝送理論(伝送損失)① Aのみ正しい
令和4年度第1回第4問(ウ)伝送理論(電圧反射係数)④ 0.2
令和4年度第1回第4問(エ)伝送理論(電磁誘導電圧)③ 電流
令和3年度第2回第4問(ア)伝送理論(漏話と増幅器)② 38
令和3年度第2回第4問(イ)伝送理論(同軸ケーブルの損失)③ 2
令和3年度第2回第4問(ウ)伝送理論(SN比)④ 30
令和3年度第2回第4問(エ)伝送理論(電流反射係数)③ -m
令和3年度第1回第4問(ア)伝送理論(負荷電力の計算)④ 120
令和3年度第1回第4問(イ)伝送理論(電磁結合による漏話)③ 反比例する
令和3年度第1回第4問(ウ)伝送理論(変成器による整合)① 2:3
令和3年度第1回第4問(エ)伝送理論(電圧反射係数の式)② (Z02-Z01)/(Z01+Z02)

出典:一般財団法人日本データ通信協会 工事担任者試験問題。要点のまとめと解説は当サイトが独自に作成したものです。